国産材で家を建てる意味
今日はお寺の現場の足場も解体されひと段落ついたので、後回しにしてきた遠方のお仕事のついでに長万部の温泉旅館でひとり時間をすごしてます。
( ´Д`)y━・~~
仕事帰りに。せたな町 “三本杉岩”
札幌からせたな町を日帰りできるか⁈と思ってたけどやはり無理で、帰り道に源泉掛け流し旅館を検索したところ、『長万部、丸金旅館』がヒット。しかも唯一の露天風呂のある旅館!
ばん飯食って温泉三昧してます。(でも今になってやっぱり我が子に会いたい…)笑
では早速表題の件。
『国産材で家を建てる意味』
ですが、
日本は世界でも有数の “緑の列島” ともいわれる森林王国です。
- 1位 フィンランド
- 2位 スウェーデン
- 3位 日本
そのくせ木材自給率は47%。(200?年度。詳しくは忘れた…笑)
理由の一つは大手の住宅メーカーの経済優先・効率優先でたったの3ヶ月やそこらで新築が建つ
“今だけ、金だけ、自分だけ”
の成れの果て。
南米や東南アジア、アフリカなどを中心に安い労働力で根こそぎ伐採してきた木材で高度成長して来た日本の住宅事情ですが、その一方で(そのお陰様で)衰退してきた日本の林業の
『切れば切るほど赤字』
という成れの果ての現実もあります。
一度人間の手が入った山は植林などしたところでなかなか手放しで元どおりにはならず、キチンと間伐などの手入れをしていかなければなりません。
ここで以前何処かで習った『森林の役割』をこっそりとお借りして、
・土砂災害の防止
・生物の保全(生態系など)
・地球環境(CO2など)
・水源地の確保
高卒の俺でもこの4つのもたらす意味はなんとな~くわかります。
中でも1番目の『土砂災害の防止』ですが山の木を伐採し、森林資源を利用した後の山には杉や檜などを多く植林してきました。
トドマツ
特に杉なんて木は根が浅く、近年の土砂災害などの多くは杉の多く植わってる所が多いのではないでしょうか。
もしくは予算もつかず手入れもされず荒れ果てた森とか。
林業の衰退で、森に手を掛けて手入れをし育てる事もままならない現実が、この各地の土砂災害の理由の一つにあげられるのではないかと思います。
一方で需要の大きくなった外国の輸入材に目を向けてみると、違った現実を目の当たりにします。
俺的に衝撃だったのが輸入木材の出所の話しで聞いたことで、最近仕事の現場で気付いてよく目に付くようになった、
『この木材は合法材です。』
の表記です。
一部の輸入木材の産地での話しですが、高度経済成長期の日本の商社マン達が現地の人々が御神木として大切に守って来られたワランの木などもどんどん伐採し運び出して住宅に使用していたという事実。
ラワンの多くは密集して生えているのではなく何十メートル、何百メートルおきに生えている木だと聞きました。
30年から40年ほど前に建てられた家のほとんどにそのラワン材が使われています。
昭和50年生まれの俺の札幌の同級生の実家なんかのほとんどは、内装の仕上げ材としてラワン材がよくつかわれています。
未来のことも考えず、どんどんと伐採されたラワンの木はそこから数十年経った今、とても希少な木となってしまいました。
ナラとシラカンバ
過去の日本人がまねいしてまったこのような事態。この事実を知ってしまったからには俺たち建築屋は未来に向けて、同じ日本人としての懺悔も込めて、森や木をしっかりと守りながら、建てては壊す家造りではなく、“何世代にも住み継がれる本物の家”を作っていかなければならないと強く感じています。
同時に消費者である私達の意識もそろそろ変えていかなければならないと日々その思いは強くなっています。
先ずは知る事。
今ご縁あって手掛けているお寺のお堂の木材も、これだけの無節の材料もなかなか手に入りづらくなってきています。
たった6坪程度のお堂の木材ですらです。
その裏には中国の木材にも及ぶ爆買いが原因の一つにあげられるそうですが、それにしたって世界第3位の森林王国がなしてそんなことに…
って思います。
これから50年、80年、100年先の我が子、我が孫、我がひ孫、ひひ孫の為にも、その地域、気候風土に合った “木” で当たり前の家に住んでもらいたいと切に願います。
時を経るごとに価値をます家
住む人と建てる人が同じ思いで明るい未来をイメージしながら、森を大切に木を大切に創られる家が北海道にも増えることを願いながら、ご依頼を頂いた際にはより良い家造りができるように、日々学びを深めて精進していかなくてはいけないなと思うこの頃なのでした。
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